東洋医学的『五行の食事(薬膳)』を考える

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現代栄養学はタンパク質・脂肪・糖質(炭水化物)・ビタミン・ミネラルなどの栄養素の量とカロリーが重視されています。食べ物の成分を分析して、栄養素と摂取カロリーがメインとなっています。

しかし食べ物の性質はそれだけではありません。これらの栄養バランスも確かに大切ですが、もっと大切なことは食べ方だと東洋医学では考えられています。漢方では医食同源や、薬食同源と言われ、昔から食べることを非常に大事にしてきました。
漢方が作られた中国では、今でも医食同源・薬食同源が家庭に於いて、ごく普通に行なわれています。また、「民人以食為天」(民人は食を以って天と為す)という言葉もあります。これが親から子に伝えられ、家族の体調が悪いときには、主婦がそれを察して体調を整える料理を作って食べさせます。これはタンパク質や脂肪、糖質、ビタミンだけを考えているのではなく、食べ物には全て漢方薬と同じような薬理作用があると考えられているからです。

 東洋医学の五味 

東洋医学では食物を塩辛い、の五つの味に分類します。酸っぱいものは肝臓を、苦いものは心臓を、甘いものは脾臓を、ピリ辛のものは肺臓を、塩辛いものは腎臓を丈夫にします。

お酒を飲むときに酢の物を食べるのは肝臓を保護する意味があり、古人の知恵の素晴らしさです。
中国古来医学である『黄帝内経素問』では、人体と自然界を木火土金水の五つに分けています。五味もこの分類にされています。
この分類法は五角形の形で時計回りの方向に動くと解釈されています。一つ前が母、一つ後ろが子と捉えるようになっています。つまり肝臓の母は、肝臓の一つ前が腎臓です。母に良いものを与えると子に施しする余裕だ出てきます。すると子結果として良くなります。東洋医学では不妊・不育・生殖器には肝臓・腎臓・脾臓が関係すると昔から考えられてきました。そのため酸味・苦味・塩辛さをうまく組合わせて、一食にバランスよく摂るようにしてくことが大切です。
例えばアルコール飲料を飲むと多くの水分が身体に入ります。大量の水分をに身体の中に入れると心臓が弱ります。
しかしアルコール飲料に含まれている苦さによって心臓が丈夫になることで心臓の弱さを補っているのです。この苦さが利尿作用となり、小便が多く出るようになります。
そのため若い時はお酒を飲むとすぐトイレに何度も行きたくなりますが、年齢とともに身体が冷えてくるとあまり出なくなります。すると身体に水が貯まるので注意が必要です。
このような理由で、暑がり体質の人にはアルコール飲料は負荷があまりかからないのですが、身体が冷え性になってくるとアルコール飲料はさらに身体を冷やすだけなのでよくありません。不妊症・不育症で悩んでいる方はたいていの場合身体が冷えています。できればアルコールはほどほどにしましょう

 薬膳とは

この五行の五味を料理に応用したのが薬膳です。中国では昔から、皇帝や貴族には侍医がいて、食事担当の食医はたいへん高い地位にありました。
日常の健康のために食物を組み合わせる技術を調理といい、侍医が薬物を組み合わせることを調剤といいます。調理と調剤の語源は同じものなのです。
薬膳と漢方薬には体質改善作用があります。薬膳では、植物の実や種に含まれる糖質(炭水化物)、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラル等の栄養を肝臓に蓄えて、身体の内部から身体全体へ健全な細胞を作り上げていきます。これらの食物は自然のものであることも非常に大切なことです。オーガニック的なもの以外はあまりおすすめできません。
薬膳の原則は寒熱(陰陽)です。身体に熱証、たとえば便秘や発熱、出血、炎症がある時は苦味や酸味のある物を食べ、熱を取っていくのです。

薬膳の原則(二味配合・三味配合)

各器官が弱っているとき、肝臓・胆嚢・筋肉・目には酸味、心臓・血脈・小腸・舌には苦味、消化器・唇・皮膚には甘味、呼吸器・大腸には辛味、腎臓・膀胱・耳・骨髄には塩辛いものを食べます。同じようにこれらの器官に負荷をかけることもあり前もって考慮する必要があります。
酸味には甘味を入れて消化器を補い、苦味には辛味を入れて呼吸器を補い、甘味には塩味を入れて腎臓を補い、塩辛いものには苦味を入れて心臓を補うという考え方です。これが二味配合の原則です。東洋医学では不妊・不育と関係する臓器は肝臓脾臓腎臓です。酸味甘味を合わせ、甘味塩味を組合わせて調理します。 味はそれぞれがうまく調和していきます。砂糖の隠し味として塩を使うのはこの原理です。一般的に、その人にとって『おいしく感じる』ものが一番身に合っているということです。『まずいと感じる』ときは、その人に合っていないない味ということです。 (漢方薬でも言えることですが、「自分の証」にあっているときは、どんなにまずくてもなぜかさらりと飲めるもので、「証」に合っていない漢方薬では、どんなに甘くても『もういいや。』と思うくらい飲めないものです。)

各々の親子関係は、を例にとってみると心は子脾は孫腎は親肺は祖父母となります。漢方や薬膳の配合原理に当てはめると、自分(肝)のための酸味、相克相手である孫の脾を補う甘味子の心を補う苦味の三味を配合します。これが三味配合の原則です。すると全ての味が関わってくるため、偏食的な味付けではなく、全ての味をバランスよく摂るということが重要になってきます。毎日のように甘いものばかり食べていると、脾臓を補うことは出来ても、相克関係にあたる腎臓を弱めることになるのです。白砂糖ではさらに身体も冷やします。
酒を飲むときなどの酢の物や塩辛を食べるという発想も、酸で肝臓を補い塩辛さで腎臓を補うことを古来から自然と行なわれてきたことなのです。薬膳にはクルミ、あんず、栗、ナンキン豆、あずき、ハトムギ、ハスの実、ゴマなどが使われます。これらは甘平の上薬*に分類され、平とは寒でも温でもないということを表します。甘味には砂糖ではなく蜂蜜が使われてきました。蜂蜜も甘平の上薬*です。(上薬:中国古代に、漢方で薬の性質から定めた区分のひとつ。多量に長期に服用しても副作用がなく、不老長寿に効果があるとされた薬。)

不妊症・不育症に簡単・おすすめ

蜂蜜はカルシウム、ビタミンなどを豊富に含む理想的です。また胡麻も栄養に富む食品です。各々の食品は簡単に手に入ります。この二つを混ぜ合わせると簡単にかつ理想的な食品ができます。蜂蜜には不妊・不育を治したり、お乳の出を良くする働きがあります。

蜂蜜に含まれる微量のビタミンが、腸内細菌を増やし、悪玉ウィルスを減らします。腸内環境が整うことで、脾臓を強くする効果があります。砂糖は、身体を冷やして排尿も減らしてむくみを増やし、結果的に腎臓に負担をかけ、腎の力、すなわち生殖機能を弱めることになりますが、蜂蜜は腎臓に負担をかけません。

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