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サルコペニアと栄養

3回目にして少し難解な内容になってしまったかもしれません。

結論として申し上げたいことは、六君子湯は消化システムを再構築することを促す

素晴らしい漢方薬だということです。

以上。

お時間があるれば引き続きお付き合いください。

成長ホルモンを促すような薬やサプリメントが医療現場で注目されています。

一昔前までは、成長ホルモンの分泌を促す物質の話をしているだけで怪しいと思われていましたが、最近は製薬会社が主導となって癌の低栄養状態の改善のために薬やサプリメントが出ています。現在、成長ホルモンを促すとされる医薬品関係の中では『アバンド』、『六君子湯(グレリン)』が代表的です。

アバンドに関しては前にもブログで取り上げさせていただきましたが、成長ホルモンをはじめとする体内の修復機構を活性化すあることにより‘床ずれ’の改善を促すサプリメントです。

 

今回ご紹介する六君子湯はグレリンという物質を含んでいることで有名です。

宮崎大学医学部内科の中里雅光先生が加齢性サルコペニアのメカニズムとグレリンによる治療介入の可能性という論文を出されています。)

グレリンは食欲増進効果のある胃腸ペプチドで、炎症抑制や成長ホルモンの分泌増強などの効果で有名です。 

ですから六君子湯はがん治療の場でも積極的に用いられています。

 

例えば、最近の幾つかの研究で、六君子湯が抗がん剤(シスプラチン)によるグレリンの胃からの分泌低下を阻止し、さらに脳内におけるグレリン受容体を増加させることによって食欲を高めることが、ラットを使った実験で示されています。

六君子湯は人参・白朮(または蒼朮)・茯苓・半夏・陳皮・甘草・生姜・大棗の8種の生薬で構成されています。

気力の低下や胃腸運動の低下、消化吸収機能の低下した状態を改善するために、人参・朮・甘草が、消化吸収機能を高める健脾薬として大棗・茯苓・陳皮・生姜が使われています。半夏・朮・茯苓は利水作用があり、胃腸内の水分停滞による症状(胃もたれ・吐き気・膨満感・胸やけ)を改善します。

これらの生薬を組み合わせて、より効果的に消化吸収機能を正常化させ、食欲低下や吐き気を改善する効果を発揮できるように作られたのが六君子湯です。

 

ですから食欲が増える、胃の調子が良くなるというよりは、本来人間が持っている正しい消化システムを再構築させる働きを持つ漢方薬といえます。

だからダイエットしたい人には消化機構が整うことでそれが叶うでしょうし、体重を増やしたい人にとってももちろん有効だと思います。

ダイエットにも体重増加の相反する二つに有効なところが漢方の奥深さですね。

 

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