今回も『筋筋膜痛症候群』についてお話します。
私にとって『筋筋膜痛症候群』はペインクリニックで働きだすまで
聞いたことが無い病名でした。
ペインクリニック外来で診察をしていると身体所見では特に目立った症状が無いにもかかわらず
強い痛みを訴えている患者さんをよく拝見いたします。
(身体所見:感覚が低下したり、脊髄反射が鈍くなったり、筋力が落ちているなどの他覚的所見)
大学病院ですから、多くの方は紹介でご来院になられますが、
多くの場合に痛みの主な原因は『心因性』と診断されていることが少なくありません。
なぜこうなるかというと、筋肉が強い痛みを生じる‘臓器’だという概念が
医療者側に余りないからだと思います。
ですから神経が問題ない(ex.手術をして神経の圧迫を取っている)にもかかわらず
痛みを訴えていると原因がわからなくなるわけです。
ただ、筋肉が痛みを引き起こすという概念で患者さんを診察すると
原因不明といわれていた多くの方の痛みの原因が筋筋膜痛症候群で説明されることは
少なくありません。
筋筋膜痛症候群について東京慈恵会医科大学ペインクリニックのパンフをもとに話を進めていきます。
筋筋膜痛とは ’慢性のひどい筋肉のコリ’
のことです。
’筋肉のコリ’は’ たいした事のない痛み’ とか ’風呂にでもつかってほっておけば治る’ と考えられていました。しかし何週間も、何ヶ月も、時には何年間も続く ’慢性の筋肉のコリ’ についてはあまり注目されてきませんでした。
これらの痛みはマッサージやお風呂で一時的には楽にはなってもなかなか完全には良くなりません。
結果として頭痛・首、肩の痛み、背中のコリ、腰痛となって人々を苦しめます。
最初は骨折、手術後の痛み、帯状疱疹等の明らかに原因のある病気や怪我だったのにもかかわらず、
元の病気が治った後にも痛みが続く場合に筋筋膜痛である可能性があります。
あまり知られていないことですが筋肉の痛みは多くの表現をします。
ビリビリとした痺れや灼熱感を持った焼けるような痛みや電気が走るような痛み
などは筋筋膜痛でも起こりえます。
それだけではなく、筋肉の痛みはかなり強い痛みを引き起こします。
ex.人間の感じる痛みの中で最もひどい痛みに数えられるお産の痛みも (指を詰めるのと同じ位の痛み・・?) 子宮という筋肉の固まりが起こす痛みです。
次回は筋筋膜痛症候群の診断についてご説明申し上げます。