肝斑とPIH 最新の治療 局所療法

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2017年4月18日


ヒドロキノンと併用療法

ヒドロキノン(HQ)は、最も研究が進み、最も広く使用されている脱色剤です。メラニンの元となっているのはL-DOPAという物質で、これにチロシナーゼが作用することで、メラニンが生成されます。L-DOPAに似た構造を持ち、チロシナーゼの働きを阻害するのがHQです。副作用としては、皮膚への刺激、アレルギー性接触性皮膚炎、色素黒変症などが含まれます。そして、いくつかの研究から、HQの脱色効果はレチノイドやステロイドと併用すると増強されることが示されています。

今日では多くの治療薬の組み合わせが使用されていますが、その中でも4%HQ 、フルオシノロンアセトニド、およびトレチノインの3剤併用のクリームが最も広く使用されています。

HQによる色素黒変症などの後遺症を予防するために、HQを使用する際には制限が設けられています。3〜6ヶ月間治療を継続したら、その後HQの「休日」を取ることが推奨されています。

また、「週末だけ」「週3日だけ」というように短期間の服用を長く続ける維持療法は、肝斑でもPIHでも成果をあげており、さらに合併症は非常に少ないという報告もあります。皮膚の発がん性については、これまで発生したという報告はなく、上記のような使用頻度であれば安心して使うことができます。

レチノイドについて

レチノイドは、表皮の代謝を早めることで色素の脱落を促し、またチロシナーゼを直接阻害する作用があります。しかし、レチノイド単体での使用は、刺激によって色素沈着を引き起こす可能性があり、推奨されていません。高い濃度(8〜20%)で単剤使用する場合、HQと同様の副作用が起こり得ます。

 

中等度から重度の肝斑の患者さん70人を対象とした研究では、3剤併用の治療を12週間の受けた後、「治癒」または「軽快」の評価を受けたのは全体の67.7%に及び、大幅な改善を示しました。また、242人の肝斑の患者さんを対象にした別の研究では、週2回の維持療法によって全体の53%もの人が再発を防ぐことができました。

ヒドロキノンに代わる物質

HQよりも刺激が少なく、色素黒変症や発がん性などの悪影響が少ないため、広く使用されています。これにはアザチオプリン、トラネキサム酸、レゾルシノール、メキノール、コウジ酸などが含まれ、これらには美白効果があるため、さまざまな治療に組み合わされています。

トラネキサム酸は、チロシナーゼ活性を減少させます。コウジ酸は、強力な抗酸化物質であり、細胞の代謝を改善させて、皮膚への薬剤の浸透を促進します。

その中でも私たちはクルクミンジェルを推奨しています。

ウコンのポリフェノールであるクルクミンは強い抗酸化作用を持つことが知られています。それだけではなく、UCLA皮膚科ヘン教授はアポトーシス効果があることを発見しています。このことによりダメージを受けた肌を選択的に間引いて新しい肌を促す、まさに選択的遺伝子ピーリングを可能にしています。

ハイドロキノンやレチノイドとの併用で生じる肌の炎症を強力に抑える作用もあり、これらを併用した肝斑の治療によって高い治療成績を誇っています。

きっちりとした遮光(サンスクリーン)とクルクミンジェル、身体の中からの抗酸化対策は美しい肌を保つための非常に重要な要因と言えます。

ケミカルピール

ケミカルピールは、肝斑のように色素沈着を示す病気において有効な治療法として知られています。サリチル酸やグリコール酸による皮膚表面のピーリングは、副作用がほとんどなく、症状を改善させると報告されています。一方、トリクロロ酢酸やフェノールなどの強力な成分を用いたピーリングは、炎症や色素沈着を悪化させる可能性があります。サリチル酸は炎症を抑える効果があり、酒さなど他の皮膚の病気にも使用可能です。

 

最新の研究では、ピーリングの成分の組み合わせを考慮することで、炎症をほとんど引き起こさずに、色素沈着や瘢痕、しわ、毛穴などの改善に作用するものもあります。さらに、これらの成分にHQやコウジ酸、ステロイドを加えることで、肝斑やPIHにも治療効果をもたらします。

 

 

【参考出典】

http://www.skintherapyletter.com/2016/21.1/1.html