乾癬とメタボリック症候群

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2017年4月16日

★乾癬とは?

紅斑、表皮の剥離、プラーク等が乾癬の主な症状です。米国の国立衛生研究所によると、乾癬は皮膚細胞のターンオーバーと蓄積を異常に増加させる自己免疫疾患であると考えられています。米国の国勢調査では、20〜59歳のうち660万人が乾癬を患っていると言われています。

★乾癬はメタボと関係している!?

乾癬は全身性の炎症が関係しています。

メタボリック症候群は一般的には食べすぎだったり、運動をしなさすぎだったりが注目されることが多いのですが、実は全身性の炎症が大きな役割を果たしています。

そのため乾癬、メタボリック症候群の発症要因は似通っている可能性もあり、治療薬もオーバーラップする可能性が指摘されています。

★乾癬とメタボリック症候群の研究

皮膚科の専門誌に掲載された20〜59歳の6549名を対象とした研究によると、乾癬の有病率は4%でした。またメタボリック症候群の有病率は一般人口では23%でしたが、乾癬患者では40%がメタボリック症候群でした。つまり、乾癬患者は、健康な対象者と比較してメタボリック症候群の有病率が2倍以上高いことが分かり (オッズ比(OR) 2.16,95% CI 1.16〜4.03)、またこの結果は多変量解析においても依然として有意でした(OR 1.96、95% CI 1.01〜3.77)。また、研究者らは米国の国勢調査のデータから、20〜59歳の660万人が乾癬に罹患し、270万人がメタボリック症候群を有すると推定しています。この結果は、乾癬を有さない人口数の期待値と比較して100万人を超えるとしています。

★乾癬と血圧は関係ある?

研究者らは、2003-2006年国民健康栄養調査(NHANES)の6549名のデータを解析したところ、平均年齢は39歳、半分は男性、70%は白人で、肥満度を表す体格指数(BMI: Body Mass Index)は28でした。乾癬患者における平均年齢は42歳、平均BMIは30でした。今回の調査では、乾癬患者における年齢、BMI、ウエスト周囲径、最大血圧の値はいずれも高かったという結果が報告されています。

★乾癬を有する人で一番多いメタボは??

メタボリック症候群と判定された乾癬患者のうち症状として多い順に、腹部肥満、続いて高トリグリセリド血症及び低HDLコレステロール血症でした。一番多かった腹部肥満のある人は、一般人口では48%、乾癬患者では63%でした。

この結果は、以前の研究で報告されている乾癬患者の心血管関連のリスクの増加の問題を裏付ける内容となりました。メタボリック症候群に関わる重篤な合併症を考えると、乾癬患者の長期治療において発生頻度の高い合併症は考慮されるべきである、と研究者らは述べています。

★メタボと乾癬、男女差はあるの?

男女間でもメタボリック症候群の有病率に違いが見られました。乾癬を有する患者において、女性の方が男性よりメタボリック症候群の有病率が高いということが判明しました。ただし今回のデータは、研究者らはサブグループのサイズが小さいため、「乾癬とメタボリック症候群との関連が女性にのみ存在する」という結果を解釈する際に留意する必要があると述べています。

★肥満と乾癬はどう関連しているの?

以前より乾癬患者の心血管、代謝罹患率および死亡率が増加する危険性は報告されていましたが、専門家は、中枢性肥満は、腫瘍壊死因子TNF-αやインターロイキン6を含む様々な炎症マーカーの異常値に関連していると述べています。したがって、これらの因子が乾癬の病因に寄与している可能性が考えられます。TNF-α阻害薬などの一般的な治療法は、乾癬患者のインスリン抵抗性を低下させる可能性があります。研究者らは、今後、乾癬の検査・診断時にはメタボリック症候群についても検査し、個々の治療法がメタボリック症候群及び心血管疾患のリスクにどのように影響するかを評価するためのさらなる研究が必要であるとしています。

話が難しいのですが、炎症のもとを断つのが重要だということです。メタボリック症候群は脂肪由来の炎症が引きおこるのですが、そもそも全身の炎症が原因でメタボリック症候群になる可能性も取りざたされています。

★乾癬の患者さんはメタボの検査を積極的に受けましょう。

乾癬とメタボリック症候群に関連性があるとする科学的根拠は急速に増えています。これまでの知見にプラスして、新しいガイドラインが発行され、乾癬を患う患者さんに対して積極的にメタボリック症候群の検査やその他の心血管リスク因子に対する検査を実施するよう推奨しています。

【渋谷セントラルクリニックDrコメント】

炎症の原因は様々ですが、渋谷セントラルクリニックでは腸内環境の悪化、ビタミンDの低下、マグネシム、亜鉛や食物繊維の摂取不足が一つの原因と考えています。腸内環境には乳糖不耐症やグルテン不耐症などの様々な要因に加えて、悪玉、善玉細菌のバランスの悪さも見逃せない要因です。

参考サイト

https://www.psoriasis.org/media/press-releases/psoriasis-linked-increased-risk-metabolic-syndrome

http://www.medpagetoday.com/dermatology/psoriasis/24001

 

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