酒さと片頭痛

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2017年4月2日

酒さに悩む女性は片頭痛にもなりやすいって本当?

酒さは赤ら顔と大人ニキビの問題だけではなくて様々な病気が起こりやすいことが知られています。その一つが片頭痛です。

片頭痛と酒さの関係が最初に報告されたのは、今から30年以上前にもなります。

デンマークのアレクサンダー・エジバーグ博士は、酒さと片頭痛の関係について、「酒さのような異常が皮膚に現れるということは、患者さんによっては別の内臓疾患の前兆であることもあり、また片頭痛を起こしている原因が皮膚にも異常をもたらしていることもあるのです」と語っています。

またこの報告とは別に、1995年から2009年の間に英国のデータベースを用いて同定された53927名の酒さの患者さんの症例対照研究では、これまでに片頭痛を経験していた女性(男性は調査の対象外)が酒さを発症する可能性が有意に高い事が明らかになっています。この研究では、特にトリプタン(片頭痛の治療薬)で治療する必要のある重度の片頭痛に苦しむ女性の患者さんの場合、年齢が上がるほど片頭痛と酒さの発症に相関がはっきりと見られています。

 

片頭痛とはどういう病気?酒さとはどんな関係??

典型的な「片頭痛」とは、症状のある期間とない期間が交互に存在する、慢性的な頭痛であるとされています。頭痛の発作に先立って吐き気と嘔吐が出ることがあり、また、人によっては明るい色の点滅灯(オーラ)が見えることがあります。

片頭痛は、頭部および局所に炎症を起こすような血管変化に関連しており、また、酒さは神経性の炎症ならびに神経血管系の異常を伴うと考えられているため、酒さと片頭痛が病理学的に共通しているかどうかを調査している研究者もいます。

トリプタンの血管収縮作用および抗炎症作用は、片頭痛の症状を緩和してくれることがわかっていますが、酒さではまだそのような治療はされていません。現在、酒さや片頭痛、他の疾患など共同で効果のある薬の研究が進行中です。

 

エジバーグ博士の酒さと片頭痛の研究

エジバーグ博士の報告によると酒さと片頭痛の研究はほとんど行われておらず、データによって罹患率などの数値が随分異なっているそうです。

エジバーグ博士の研究グループは、440万人を超えるデンマーク人(うち、酒さの患者さんは4万9千人)に対して、新たに発症した片頭痛の有病率や片頭痛が起こる率を調査しました。片頭痛の有病率は、酒さのない人で7.3%、酒さの患者さんでは12.1%(女性は16%、男性は4%)でした。酒さの患者さんでは、新たに発症した片頭痛の調整済みハザード比は1.31(p<0.001)でした。

 

片頭痛になりやすい酒さの人はどんな人?

酒さは症状から4つのサブタイプに分類されています。

 

1型(紅斑毛細血管型酒さ):顔、特に顔の中心部が赤みを帯び、治りにくい紅斑が生じる型。皮膚のすぐ下にある毛細血管が拡張して、顔の表面に細い血管が確認できることもあります。

2型(丘疹膿疱型酒さ):一時的に顔の中心部に赤みや丘疹、膿疱が生じる型。

3型(腫瘤型酒さ):鼻や顎、額、頬、耳などにしこりが生じる型。

4型(眼型酒さ):目に何らかの症状が出る型。

 

このように3つは、皮膚の症状より分類されていますが、最後の1つは「眼型酒さ」と言って、眼に症状が出ているタイプです。

「眼型酒さ」タイプの患者さんは肌が綺麗な人や、30〜60歳くらいの年齢の人が多いと言われています。

エジバーグ博士らの研究では、酒さのない人たちと比較すると、「眼型酒さ」タイプの患者さんの新たに発症する片頭痛のリスクは69%高く、その他のサブタイプの酒さの患者さんではリスクは変わりませんでした。

 

また片頭痛のリスクが最も高かったのは、50歳以上の酒さの患者さんでした(調整済みハザード比1.38; p<0.001)。片頭痛のリスクは、女性の酒さの患者さんで有意に増加しましたが、男性の酒さの患者さんでは有意差は見られませんでした。

酒さと片頭痛の症状の引き金は一緒!?

エジバーグ博士らは、片頭痛と酒さが同時に起こる原因はわからないものの、どちらの病気も血管の異常が原因になっているのではないかと考えています。

つまり片頭痛と酒さの症状の引き金になる要因には同一のものである可能性があると認識しているようです。

片頭痛は油断してはいけない!

片頭痛に限らず、一般論としてある程度の年になってから新たに発症した頭痛は、動脈炎や脳腫瘍などの他の病気の存在を示唆する“危険信号”と見なされています。

そうした観点から考えて酒さの患者さんにおいて新たに発症する片頭痛のリスクが最も多かったのが50歳以上のであることは注目に値することとエジバーグ博士は語っています。エジバーグ博士は片頭痛のある患者にスマトリプタン(トリプタンの一種、片頭痛薬)を使用したところ、患者さんによっては片頭痛の改善のみではなく、顔の赤みやほてりといった酒さの症状においても改善が見られることもあったとしています。

エジバーグ博士は引き続き、酒さの重症度および症状に対する片頭痛治療薬の効果を調べていく予定だそうです。酒さと片頭痛の相互の関係と、薬の飲み合わせに関する研究が今後も続きそうです。

 

酒さを放っておいてはいけない理由

米国では6千万人以上の方が酒さに罹患していると言われています。

酒さの人は皮膚に特有の赤み(赤ら顔)があり、ほとんどの場合、顔のいたるところに吹き出物(大人ニキビ)があります。酒さは慢性的な病気ですが、困ったことに、酒さは年齢や性別に関係なく多くの人を苦しめています。

酒さに罹っているアメリカ人の70%以上は、肌の状態に無関心で、そのままの状態で放置しているとのことです。というのも、酒さについて何も知らないため、赤ら顔や大人ニキビがひどい状態になってはじめて、治療法を探し始めるからと言われています。酒さは治療をすぐに開始しないと、時間の経過とともに酒さの症状が悪化していくことも多いと言われています。

渋谷セントラルクリニックDrコメント

今回の記事のように酒さは片頭痛だけではなく自己免疫性疾患など様々な大きな病気の前兆になっているとも報告されています。

酒さを引き起こす原因は全身的な要因があり、日焼けによるダメージ、肌細菌叢の乱れ、アレルギーなど数々の肌に対する直接的な要因が絡まり合って酒さが生じてしまいます。

同じ理由で全身的な要因が脳に発生すると片頭痛の症状が出てきます。酒さは認知症の前兆という報告もあり、こうした肌の症状や片頭痛は体のダメージのシグナルなのでそれを取り去るだけではなく、根本的な要因を考える必要があります。

私たちはひどいお肌の状態をさけるためだけではなく、酒さの原因についてよく考えて治療してくことが重要だと考えます。

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