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外用薬に頼らない乾癬治療

乾癬治療は、外用薬によるもの外用薬に頼らないものがあります。 外用薬に頼らない乾癬治療は、レーザー治療光治療などによるものです。日焼けするには充分でない太陽光の通常の量でさえ、多くの患者において乾癬の傷害部の治療に役立ちます。

PUVA療法

持続的で治療に反応しない乾癬の患者には光治療が一般的 もっとも効果的な治療の一つは、医薬品であるソラレンと紫外線Aを組み合わせたPUVAと呼ばれる方法です。しかしながら、この様式の治療は今日めっきり使われなくなっています。その理由は、PUVA療法を止めた数十年後でさえ、皮膚ガンの発生の危険性を増大させることが示されているためです。 光治療は規則に則って医師の管理下で、紫外線を皮膚に照射することで行います。治療はクリニック、もしくは自宅で行います。 光治療の成功のカギは治療の一貫性 国際乾癬学会は、医師の監督下や処方によって行われる光治療の代わりとして、屋内の日焼けマシーンを使用することを支持していません。米国皮膚病学会や世界保健機関によると、屋内の日焼けマシーンの使用は、59パーセントもメラノーマ(悪性黒色腫)の危険性を増加させます。また、それはもっとも効果的に乾癬を治療する光のタイプを供給しません。

光治療は異なる種類のタイプの光を照射

太陽光の中には、もちろん紫外線が含まれていますが、その紫外線もより細かく分類することができます。紫外線A は315から400ナノメートルで、紫外線Bは280から315ナノメートルで、紫外線Cは280ナノメートル未満の紫外線に区分できます。紫外線Cは乾癬の光治療には用いられませんが、紫外線Aと紫外線Bは光治療に用いられます。以下、それらを含め光治療の詳細について見てみましょう。

  • 紫外線Bによる光治療

自然の太陽光に存在する紫外線Bは、乾癬の効果的な治療です。紫外線Bは皮膚を透過し、紫外線Bを受けた皮膚細胞の増殖を遅くします。治療は規則的な計画の下で決まった時間の人工紫外線Bの光源を皮膚に照射することによって行われます。この治療は医療機関または家で行われます。 紫外線Bの治療は、広いバンド狭いバンドの二種類あります。この二つの主な違いは、狭いバンドの紫外線Bの光源はより狭い範囲の紫外線Bを照射することです。狭いバンドの紫外線Bは多くの点において広い範囲のバンドと類似しています。複数の研究は、狭いバンドの紫外線Bは広いバンドの紫外線Bよりも乾癬をより早く除き、再発の期間もより長い、と示しています。狭いバンドの紫外線Bは、また広いバンドの紫外線Bよりも週の治療回数も少なく効果的かもしれません。 紫外線Bによる治療の間、乾癬は、改善する前に一時的に悪化するかもしれません。皮膚は紫外線Bの光に晒されると赤みをおび、かゆいかもしれません。さらなるかゆみを避けるために、施される紫外線Bの量は減らされる必要があるかもしれません。場合によっては、一時的に低量の紫外線Bで発疹が起こるかもしれません。これらの反応は治療を継続することで解決する傾向にあります。 紫外線Bは効果を上昇するための局所または全身性の薬物と組み合わせることができますが、これの組み合わせの中には光感受性やほてりを増加させたり、再発までの期間を短くしたりするかもしれません。紫外線Bと全身性の治療の組み合わせは劇的に効果を増加させるかもしれず、より低量の全身性の薬が使用されるかもしれません。

  • 太陽光

紫外線Bと紫外線Aは太陽光において見受けられますが、紫外線Bは乾癬治療に最もよく作用します。太陽からの紫外線Bは光治療における紫外線Bと同様の方法で作用します。 太陽光に短く、複数回さらされることが推奨されています。毎日午後に5~10分太陽にさらされることから始めてみるのが良いと思います。 皮膚が太陽光に耐性があるなら、毎回30秒ずつ徐々に晒される時間を増やしましょう。太陽から最も効率よく紫外線Bを得るために、全ての影響のある領域は等しく充分にそれに晒されるべきです。その際、乾癬を患っていない皮膚の部分に日焼け止めを塗ることを思い出してください。 太陽光に過剰に晒されることと日焼けは避けましょう。 症状の改善を観察するには数週間かかります。また、太陽光によるダメージを定期的に医師に診てもらいましょう。 いくつかの局所医薬品は日焼けの危険性を増加させます。これらはタザロテン(タゾラック®)、エリデル(ピメクロリムス)、プロトピック(タクロリムス)やコールタールを含みます。太陽光を浴びに行く前に、これらの製品を使っている患者は医師に相談すべきでしょう。 紫外線Aまたは他のタイプの光治療を使っている患者は医師の指示がない限り、太陽光に晒されることを避けるべきか制限するべきでしょう。

  • ソラレンと紫外線A

PUVA治療は今日めっきり使われなくなっています。 紫外線Bと同様に、紫外線Aは太陽光に存在します。紫外線Bと違って、局所または経口投与される光増感医薬品であるソラレンと一緒に使わない限り、紫外線Aは相対的に効果がありません。PUVAと呼ばれるこの過程は過度な皮膚細胞の成長を遅め、様々な進行状況の乾癬の症状を除くことができます。尋常性乾癬や滴状乾癬、手のひらや足の裏の乾癬はもっともPUVA治療に反応します。 一番よくあるPUVAの短期間の副作用は、吐き気や皮膚のかゆみや赤みです。ソラレンを投薬している間吐き気を抑えるために、ジンジャーを摂取(ジンジャエールを飲むことやジンジャーサプリメント)することも行われています。 抗ヒスタミン薬の内服はかゆみを抑えるために用いられますし、PUVA治療の間に生じる足の浮腫みは伸縮性のストッキングを履くことにより除かれるかもしれません。

乾癬とレーザー治療

(1)エキシマレーザー

エキシマレーザーは希ガスやハロゲンなどの混合ガスを用いてレーザー光を発生させる装置のことです。 慢性的な尋常性乾癬を治療するために米国食品医薬品局(FDA)が最近承認したエキシマレーザーは、高強度の紫外線Bを放出します。 エキシマレーザーは中程度から重篤な乾癬に犯されている皮膚の選択的な領域を標的とすることができ、研究は頭皮の乾癬に特に効果的であると示しています。例えば、ユタ大学の研究者たちはThe Journal of Drugs in Dermatologyに局所のステロイドとレーザー治療の組み合わせた小規模な患者群は他の治療が無効だった頭皮の乾癬を除けたと報告しています。 個々人の治療への反応性は様々です。乾癬の特定のケースに依存して、結果を観察するために、平均4から10セッションの時間を必要とします。患者は治療間の時間を最小48時間あけて週二回の治療を受けることを勧められます。依然として、どのくらいの期間改善が一連のレーザー治療のあと続くか示す充分な長期間のデータはありません。

(2)日焼けマシーン

太陽光の代わりに日焼けサロンを訪れる人もいるようです。商業用の日焼けサロンにおける日焼けマシーンは大部分において紫外線Bではなく、紫外線Aを放出します。国際乾癬学会は、医師の監視下で処方箋により行われる光治療の代わりに、屋内の日焼けマシーンを使用することを進めていません。 米国皮膚病学会や世界保健機関、アメリカ疾病予防管理センターの全てが日焼けマシーンやサンランプの使用に強い懸念を示しています。米国皮膚病学会や世界保健機関によると、屋内の日焼けマシーンの使用は、59パーセントも皮膚がん(メラノーマ・悪性黒色腫)の危険性を増加させると言われています。2014年5月に、米国食品医薬品局は日焼けマシーンやブースに使われるサンランプを低リスクのクラスⅠから中度の危険性のクラスⅡ製品に変更しました。米国食品医薬品局のウェブサイトには、米国食品医薬品局はクラスⅡ以上の製品をより規則的に制御することができると述べています。これらの装置からの紫外線は皮膚にダメージを与え、早老の原因となり皮膚ガンの危険性を増加させます。

(3)XTRACレーザー

XTRACレーザー治療という新しい治療方法も近年乾癬の治療に使われるようになってきています。最初にこの治療の3つの特徴を見てみましょう。 (A)XTRACレーザー治療は皮膚を透過し、プラークを形成している細胞を破壊します。 (B)XTRACレーザー治療では、再発までの期間は長期間です。 (C)XTRACレーザー治療の副作用は軽度です。 アメリカ食品医薬品局は、2009年に乾癬の治療のためにXTRACレーザーを認可しました。XTRACレーザーは皮膚科医が診察室で使うことができる小さく手で持てる装置です。XTRACレーザーは、乾癬の傷害部において紫外線Bの単一の輪に集中させます。XTRACレーザーは皮膚を透過し、乾癬のプラークを生み出して増やしている免疫細胞のT細胞のDNAを破壊します。308ナノメートルの波長は乾癬で傷害されている部分を除くことにおいて最も効果的であることが発見されました。 XTRACレーザーの3つの利点 (A)一度の治療がたった数分です。 (B)周りの皮膚に影響しません。 (C)乾癬の他の治療に比べて、治療回数が少ないかもしれません。 XTRACレーザー治療は太陽光や人工の紫外線よりも軽度から中度の乾癬によるプラークをより早く除くと言われています。乾癬の他の治療に比べて、治療回数も少ないです。これは累積的な紫外線の量を減らします。XTRACレーザーは濃縮された光源なので、XTRACレーザーは乾癬のプラークの領域のみに照射することができます。これはXTRACレーザーが周囲の皮膚に影響しないことを意味しています。XTRACレーザーは膝や肘、頭皮といった治療困難な領域にも効果的です。治療時間は皮膚のタイプや乾癬傷害部の厚さと重症度に応じて様々です。XTRACレーザー治療では、再発までの期間を長期間にできます。 2002年のある研究は、参加者の72パーセントが平均6.2回の治療で、少なくとも75パーセント以上の乾癬のプラークの除去を体験したと報告しました。約50パーセントの参加者が10回の治療後またはそれ以下の治療後に少なくとも90パーセントのプラークを除けました。XTRACレーザー治療は安全であることが示されていますが、短期間または長期間の効果を完全に確認されるにはより長期的な研究が必要になると思います。 XTRACレーザー治療の副作用 軽度から中度の副作用が起こりえます。これも前述の2002年の研究によりますが、参加者のほぼ半分が治療後に赤みを経験しました。残りの参加者の約10パーセントがその他の副作用を経験しました。研究者たちは、一般的に参加者は副作用に充分耐性があり、副作用のために誰も研究から離脱しませんでしたと言及しました。治療箇所において、あなたは赤みや焼けつくような暑さ、かゆみ、焼けるような感覚、、色素沈着の増加に気づくかもしれません。 XTRACレーザーの危険性と警告すべき3つの点 (A)もしあなたが皮膚結核を患っているなら、XTRACレーザー治療を使うべきではありません。 (B)もしあなたが色素性乾皮症(常染色体劣性遺伝性の光線過敏性皮膚疾患)を患っているなら、XTRACレーザー治療を使うべきではありません。 (C)もしあなたが皮膚ガンの病歴があるなら、XTRACレーザー治療はあなたにとって最善の治療ではないかもしれません。 XTRACレーザー治療の医学的な危険性は発見されていません。アメリカ皮膚学会は子供と大人の両方で、身体の10パーセント以下を覆っている軽度、中度、重篤な乾癬にXTRACレーザー治療を薦めています。妊娠中の女性や授乳中の女性における研究は行われていませんが、アメリカ皮膚学会はこれらの女性においてもXTRACレーザー治療を安全だとみなしています。もしあなたがかなり光に敏感なら、担当医は低量を使用するかもしれません。ある種の抗生物質や他の薬は紫外線Aへの光感受性を増加させますが、XTRACレーザーは紫外線Bの範囲でのみ操作されます。

(4)パルス色素レーザー

乾癬に対する他の種類のレーザー治療として、パルス色素レーザーが乾癬の傷害部を治療するために利用できます。パルス色素レーザーとXTRACレーザーは乾癬の傷害部において異なる効果を示します。パルス色素レーザーは乾癬の傷害部における毛細血管を標的にしますが、XTRACレーザーは免疫細胞のT細胞を標的にします。ある評価研究によると、パルス色素レーザーの傷害部への反応率は57から82パーセントの間と推測されています。寛解率は15ヶ月続くことがわかりました。ある種の患者において、パルス色素レーザーは少ない治療回数と少ない副作用で効果的かもしれません。

新しい治療法 フォトフェイシャル(IPL)

医学を含む科学は日々進歩しています。2014年にDermatologic Surgeryという学術誌にTawfik, Abeer Attia博士が報告した新しい治療法について最後に見てみましょう。Tawfik博士は爪における乾癬の治療においてパルス色素レーザーで成功していることに着目し、新たにインテンス・パルス・ライト(IPL)が550ナノメートルのフィルターを使って、爪における乾癬のプラークの治療に使えるかどうかを検証しました。指の爪と足の爪に乾癬を患っている20人の患者はインテンス・パルス・ライトにより治療されました。セッションは2週間ごとに最大6ヶ月間行われました。爪乾癬重症度指標は治療前の状態と最後の治療のセッションの後1ヶ月後で計算されました。追跡調査は1ヶ月、半年、一年で行われました。乾癬の患者は平均8.63±3.6回のセッションでインテンス・パルス・ライト治療を受けました。 治療後、爪乾癬重症度指標と爪床と爪母において優位な改善がありました。爪床では71.2パーセントの改善が見られましたが、爪母では32.2パーセントだけでした。全体の爪乾癬重症度指標は82.4パーセントでした。患者の追跡調査から、6ヶ月後に三人の患者で乾癬の再発が見られました。Tawfik博士は結論として、インテンス・パルス・ライトは爪における乾癬の前途有望な治療方法であり、インテンス・パルス・ライトは容易に使用でき、安全で再発までの期間を長くすることができると述べています。これは誘発された改善、爪乾癬重症度指標、患者の満足度により確認されました。

渋谷セントラルクリニックDrコメント

以上のように、乾癬は外用薬によらない治療方法あります。外用薬に頼らない乾癬治療は基本的には対症療法です。ただ、乾癬のコントロールが悪い場合は内科的な治療を組み合わせることによって症状の改善を早める作用があります。 当院は世界的な皮膚科の名医UCLAヘン教授の治療プログラムをご提案しております。 治療プログラムの有用性は16週で72.2%の治癒率を誇ります。 当院では内科的な治療に加えて、必要に応じてIPLを組み合わせて治療を組み立てています。どのような治療方法があなたにとって最善であるかを担当医と相談して決めていくことが重要でしょう

参考文献

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