副腎疲労という概念は日本ではあまり知られていませんが、米国を中心として不定愁訴や原因不明の体調悪化の原因として代替療法や機能性医学の分野で知られてきている概念です。
- 感染への抵抗力の低下
- アレルギー
- ストレスに対処する能力の低下
- 低血糖(甘いものへの依存症状)
- 失神、めまいなどの症状
- 免疫力の低下
- 疲労感(1日の中で変動、朝に疲労感があり、夜に活発になる)
- 風邪のような症状
上記のような症状が、様々なストレスを受けた時に副腎からコルチゾールが適切に分泌できないために出現します。
副腎という臓器は様々なホルモンを分泌しています。その一つがコルチゾールというホルモンです。コルチゾールは一般的にはステロイドという名前で良く知られています。
コルチゾールというホルモンは体の内面的な身体的、感情的、精神的などのストレスが生じると、副腎から分泌されて健康を守ります。
国内で知られているコルチゾールを全く分泌できない病気をアディソン病と言います。但し、アディソン病は、10万人に4人という珍しい病気です。
但しコルチゾールを十分に分泌が出来ないことやコルチゾールが体内で働かない事で困っている方は決して少なくありません。
例えば、コルチゾールの分泌が低下すると悪化することで知られている疾患としては以下のものがあげられます。
- 関節リウマチなどの自己免疫性疾患
- アトピー性皮膚炎
- 喘息
- 一部の慢性疼痛
- 一部の慢性疲労や抑うつ状態
こうした疾患に罹患されている方は副腎から分泌されるコルチゾールの量が十分ではないため、コルチゾールをステロイドという形で補充しているのです。
副腎から十分にコルチゾールが分泌出来なくなる原因
- 遺伝、自己免疫性疾患
- 栄養障害(食習慣)
- 腸内環境
- エクササイズ
- 睡眠などの生活習慣
- 精神的なストレス
ストレスに対して適切に対応できないために日常生活を気分よく送れない方を多く見ています。ストレスが絶え間なくかかっていると、睡眠や食生活が不規則になりがちです。こうしたことが重なると副腎機能は転げ落ちるように低下して、ストレスに対して対応できなくなってしまいます。
副腎疲労を起こしやすくなるストレス
- 睡眠のトラブル(概日リズムの破綻)
- アルコール・たばこの過剰摂取
- 栄養障害(たんぱく質不足、ビタミン・ミネラル不足)
- 遅発性アレルギー
- 有害金属汚染
- 腸内環境の悪化
- テクノストレス(VDT症候群)
特に睡眠のトラブルとアルコール・たばこの過剰摂取は大きな原因です。睡眠薬による睡眠は自然の睡眠とは異なりますので、睡眠障害には睡眠薬に頼らないと寝られない人も含まれます。
栄養障害とは最近重視されるようになっている概念ですが、ビタミン・ミネラルだけではなく、アミノ酸(たんぱく質)が大きな役割を果たしています。先ほどから述べている コルチゾールはコレステロールを原料として作られます。コレステロールは体内でアミノ酸、ビタミン・ミネラルを触媒にして最終的にコルチゾールに生成されます。尚、副腎という臓器ではビタミンC濃度が高い方が良く働きます。
遅発性アレルギー、有害金属や腸内環境も体内での酸化ストレスを生じさせたり、免疫反応異常を引き起こしたりすることにより副腎機能の回復を妨げます。
慢性の痛みがある患者さんや慢性的なストレスの多い方では、副腎は予備のコルチゾールを分泌できなくなります。この状態を副腎機能低下(副腎疲労)といいます。またそのような際には副腎機能の指標となるDHEAが低下したりします。
診断方法 【確定診断】
当院では分子整合栄養検査を重視して検査をしております。問診の結果で腸内環境や有害金属などの検査が必要と思われるときはご相談のうえで追加していただいております。
検査費用 40,000円(税別:初再診料込)
- 栄養・ホルモン検査 80種類にもわたる検査から問題点を抽出いたします。通常の生化学的な検査に加えて、ビタミン、ミネラル、ホルモンの欠乏・機能不全をチェックすることが出来ます。(通常健康保険の検査項目は多くても30種類程度です。)
- 問診検査 SF36、HADSにより全身状態やメンタルチェック
- 遅発性アレルギー検査
- 有害金属検査
- 唾液検査(コルチゾール)
- ゆがみ検査 カラダのゆがみをチェック
- 体組計検査 筋量、内臓脂肪のチェック
- 眼科検査 テクノストレスのチェック
- 自律神経検査 交感神経・副交感神経のチェック
これらの情報から副腎疲労の程度を知ることが出来るだけではなく、栄養療法・ストレスマネージメント・ナチュラルホルモン補充療法・デトックス・点滴療法など、どの方法がベストかを知ることができます。 機能性副腎機能低下症の治療 原因に則した治療を行いますので、基本的には治療はオーダーメイドになります。
殆どの方には心理社会的なストレス、栄養障害を認めます。当院の栄養士による問診の上で問題点を抽出します。その上でドクターと治療法についてお話合いをします。
副腎疲労の治療は医師が施す治療ではなく、患者さんが主体的に努力していただく必要があります。私たちも最大限のお手伝いをさせていただき、一緒に乗り越えたいと考えております。 以下の治療から必要なものをご提案させていただきます。
治療法
副腎疲労(機能性副腎機能低下症)の診療の進め方
① 来院 ご予約の上でご来院ください。
② 初診 採血検査 問診検査
③ 再診 検査結果のご説明 機能性副腎機能低下症か否かの判断をいたします。
④ 再検査 機能性副腎機能低下症であった場合は追加検査を行います。
⑤ 再診 検査結果のご説明の上で治療プランの策定をいたします。
お問い合わせ
月~土:10:00~19:00
日:10:00~18:00