ホルモン補充と聞いて一番心配されるのは乳癌を始めとする癌のリスクだと思います。
- 『更年期障害のホルモン補充療法は、悪性腫瘍全体ではリスクを上昇させるものではない』
- ・第26回日本女性医学学会(2011.11)
日本では2002年に米国で発表されたホルモン補充療法と乳癌の関係(WHI、世界保健機関、の発表)についてが正しく理解されていない側面があります。 まずこの研究は乳癌になるリスクが高い人達を対象とした研究であるということを認識する必要がございます。(平均年齢63歳、肥満,喫煙者などが対象) この研究ではホルモン補充療法を受けていると乳癌の発生率は0.08%のみ上昇するとされています。しかし、この確率は航空機の客室乗務員の乳癌発生が5倍(30人が150人に増加)、喫煙者の肺癌の発生率が29倍になることに比較すると非常に少ないものです。また,日本では乳癌の発生率は増えているとはいえ西洋諸国に比較し、乳癌発生率は約1/4のと言われています。★WHIで指摘されていたホルモン補充療法の否定的な側面に関しても最近ではさらに検討が進められています。
- ホルモン補充療法によって癌になるリスクは増えない。大腸がんの発生率は低下、子宮頸がんは不変で悪性腫瘍全体で見ると,ホルモン補充療法によって癌の発生率は増加せず,死亡率はむしろ低下することが報告されている。(ホルモン補充療法を受けていない人の方が癌の死亡率は高くなるということです)
- 冠動脈疾患は60歳未満あるいは閉経後10年未満の健康女性ならばリスクは上昇しないこと
- 欧米でも乳がんに関しては5年未満の施行なら安全であるされている(日本産科婦人科学会、日本女性医学学会のホルモン補充療法ガイドラインもこれに沿って作成)
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