酒さと皮膚ダニ

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皮膚にはデモデクス・フォリキュロラムとデモデクス・ブレビスという2種類の皮膚ダニが生息しています。

 

大型タイプのデモデクス・フォリキュロラムは主に毛根に寄生し、毛根の壁に穴をあけて、肌の新陳代謝に必要な栄養を吸い取り、肌や毛髪にダメージを与えます。また小型タイプのデモデクス・ブレビスは皮脂腺に寄生し、皮脂腺の皮脂や栄養をエサにするため、皮脂のバランスを悪くし、肌の透明感やツヤを奪います。

 

皮膚ダニは余分な皮脂を食べて処理するという大切な働きもあるため、完全に駆除してしまうのも問題です。

その一方で、異常に繁殖してしまうと皮膚の常在菌のバランスが崩れたり、また肌のターンオーバー周期を乱したりするため肌が生来持っている「自己回復力」に悪影響を与えます。

 この皮膚ダニのうち、デモデクス・フォリキュロラムは、酒さのない人と比べて酒さのある人で、多く見られることがわかっています。また、酒さの人では、より密集して生息していることがわかっています[1,2]。酒さの患者さんでは、乳糖不耐症により引き起こされた脂腺増殖症により、毛嚢脂腺でのデモデクスの異常増殖を育ませていると言われています。異常繁殖によってデモデクスの生存が脅かされると、デモデクスがストレス蛋白を産生し、酒さの発症につながると言われています[3,4]。一方、過剰な治療によりデモデクスの生存が脅かされたときも同様のことが起こり、酒さの発症につながると考えられます。

 食生活やホルモンバランスの乱れにより皮脂が増えたり、クレンジングの洗い残しや拭き取るだけで洗顔せずに就寝することによってデモデクスのエサが増えたりすると、デモデクスが繁殖しやすくなります。またステロイド剤を長期に多量使用している場合、皮膚自体の免疫力が低下することでデモデクスが活発化しやすくなります。

 酒さの患者さんは、皮膚ダニの過密化を防ぐために、食生活の見直し、ホルモンバランスの検討、皮膚の清潔を保つ、乳糖を除去した(ラクトースフリー)食事をすることが大切です。

 

参考文献

1.Bonnar E, Eustace P, Powell FC. The Demodex mite population in rosacea. J Am Acad Dermatol 1993; 28:443-448.

2.Yamasaki K, Gallo RL. The molecular pathology of rosacea. J Dermatol Sci. 2009; 55:77–81.

3.Lacey N, Delaney S, Kavanagh K, Powell FC. Mite-related bacterial antigens stimulate inflammatory cells in rosacea. Br J Dermatol 2007; 157:474-481.

4.O-Reilly N, Menezes N, Kavanagh K. Positive correlation between serum immunoreactivity to Demodex-associated Bacillus proteins and erythematotelangiectatic rosacea. Br J Dermatol 2012; 167:1032-1036.

 

 

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